1: デンジャラスバックドロップ(東京都) [RU] 2019/07/23(火) 10:44:14.31 ID:+4cDljY/0 BE:439992976-PLT(15000)
トヨタが本気で取り組む「全固体電池」とは何か
ポスト・リチウムイオン電池の開発は過熱
2019年6月、次世代車開発の大きなカギを握る車載用電池に関する2つの大きなニュースが流れた。
トヨタ自動車は7日、車載用電池で中国CATLやBYD、東芝、ジーエス・ユアサコーポレーション、豊田自動織機と連携することを発表した。
とくに中国の大手2社の電池メーカーとの連携は、中国市場における電動車開発から販売に至る過程での選択肢に入れている。
CATLとは戦略的パートナーシップの覚書に調印し、電池の品質向上やリサイクル事業も包含する形で幅広い提携となる模様だ。
■激化するポスト・リチウムイオン電池開発
また、26日には電子部品大手の村田製作所が「業界最高水準」の容量を持つ「全固体電池」の開発を発表した。
リリースによると、長時間の利用を前提にしたワイヤレスイヤホン機器やIoT(モノのインターネット)社会の多様なニーズに対応していくとのこと。
現時点では材料特性から車載用電池としては不向きだが、今後の発展が期待される。
これらの発表をうけて、世界的に進むEVシフトと連動したポスト・リチウムイオン電池(LIB)の開発競争はより一層激しくなるだろう。
その中でも全固体電池は、現行のEV(電気自動車)において主に使用されているLIBの次の「大本命」とされている。
パナソニックの津賀一宏社長は2017年、トヨタ自動車との車載用角型電池事業での協業において
「リチウムイオン電池の限界が来るまで全固体電池のシフトを実現するよう準備をしたい」と語っていることからも、 まさに電池の主役が変わる移行期に突入しつつある。
全固体電池の構成は正極、負極、それにLIBに適用されている電解液とセパレーター機能に代わって、固体電解質を適用している。
発火の可能性のある電解液を燃えにくい固体電解質で置き換えることから、原理的に安全性は大幅に向上する。
固体電解質中を充放電の過程で移動する物質はリチウムイオンのみのため、LIBのような副反応が起こりにくく長寿命化が期待される。
また、-30度から100度ほどの低温から高温域の環境に対応できることも特徴だ。
■全固体電池は従来よりも3倍以上の出力
課題は、LIB電解液に劣らないイオン伝導率をもつ固体電解質の開発と、正極、負極の電極と固体電解質との間に形成される界面の抵抗をいかに小さくするかだ。
この分野の第一人者、東京工業大学の菅野了次教授とトヨタの研究者らは2016年、全固体電池を試作し、LIBの3倍以上の出力特性を実証したと発表している。
このころから、全世界的に全固体電池の研究開発が活発になり、主導権争いで競争が激化している。
トヨタは、2020年代の前半には全固体電池を搭載する計画と報道している。
同社はこの分野に300人規模の技術陣を配置している模様で、電池討論会などの学会発表でも存在感がことさら大きい。
筆者がサムスンSDIに在籍していた2010年に、トヨタと意見交換をした。
全固体電池の実現に向けての経営側からの要求は2017年頃をターゲットにしているとのことであった。
その2017年も既に通過し、当初の目標は達成できなかったものの、ここ1、2年の動きをみると、世界初の車載用全固体電池の実用に向けてベクトルを集中している。
トヨタの強力な研究開発に刺激され、ホンダも精力的に取り組んでいる。
また、イギリスのダイソンもEVを実用化すると発表し、そしてそのときの電池は全固体電池を目標にしていると当時はCEOが発表していた。
日産自動車に在籍していた筆者の知人である電池開発技術者が、2017年7月にダイソンに移籍した。
電池開発に関わる技術者の争奪戦はこれからもあらゆるメーカーでみられるだろう。
全文
https://toyokeizai.net/articles/-/291511
ポスト・リチウムイオン電池の開発は過熱
2019年6月、次世代車開発の大きなカギを握る車載用電池に関する2つの大きなニュースが流れた。
トヨタ自動車は7日、車載用電池で中国CATLやBYD、東芝、ジーエス・ユアサコーポレーション、豊田自動織機と連携することを発表した。
とくに中国の大手2社の電池メーカーとの連携は、中国市場における電動車開発から販売に至る過程での選択肢に入れている。
CATLとは戦略的パートナーシップの覚書に調印し、電池の品質向上やリサイクル事業も包含する形で幅広い提携となる模様だ。
■激化するポスト・リチウムイオン電池開発
また、26日には電子部品大手の村田製作所が「業界最高水準」の容量を持つ「全固体電池」の開発を発表した。
リリースによると、長時間の利用を前提にしたワイヤレスイヤホン機器やIoT(モノのインターネット)社会の多様なニーズに対応していくとのこと。
現時点では材料特性から車載用電池としては不向きだが、今後の発展が期待される。
これらの発表をうけて、世界的に進むEVシフトと連動したポスト・リチウムイオン電池(LIB)の開発競争はより一層激しくなるだろう。
その中でも全固体電池は、現行のEV(電気自動車)において主に使用されているLIBの次の「大本命」とされている。
パナソニックの津賀一宏社長は2017年、トヨタ自動車との車載用角型電池事業での協業において
「リチウムイオン電池の限界が来るまで全固体電池のシフトを実現するよう準備をしたい」と語っていることからも、 まさに電池の主役が変わる移行期に突入しつつある。
全固体電池の構成は正極、負極、それにLIBに適用されている電解液とセパレーター機能に代わって、固体電解質を適用している。
発火の可能性のある電解液を燃えにくい固体電解質で置き換えることから、原理的に安全性は大幅に向上する。
固体電解質中を充放電の過程で移動する物質はリチウムイオンのみのため、LIBのような副反応が起こりにくく長寿命化が期待される。
また、-30度から100度ほどの低温から高温域の環境に対応できることも特徴だ。
■全固体電池は従来よりも3倍以上の出力
課題は、LIB電解液に劣らないイオン伝導率をもつ固体電解質の開発と、正極、負極の電極と固体電解質との間に形成される界面の抵抗をいかに小さくするかだ。
この分野の第一人者、東京工業大学の菅野了次教授とトヨタの研究者らは2016年、全固体電池を試作し、LIBの3倍以上の出力特性を実証したと発表している。
このころから、全世界的に全固体電池の研究開発が活発になり、主導権争いで競争が激化している。
トヨタは、2020年代の前半には全固体電池を搭載する計画と報道している。
同社はこの分野に300人規模の技術陣を配置している模様で、電池討論会などの学会発表でも存在感がことさら大きい。
筆者がサムスンSDIに在籍していた2010年に、トヨタと意見交換をした。
全固体電池の実現に向けての経営側からの要求は2017年頃をターゲットにしているとのことであった。
その2017年も既に通過し、当初の目標は達成できなかったものの、ここ1、2年の動きをみると、世界初の車載用全固体電池の実用に向けてベクトルを集中している。
トヨタの強力な研究開発に刺激され、ホンダも精力的に取り組んでいる。
また、イギリスのダイソンもEVを実用化すると発表し、そしてそのときの電池は全固体電池を目標にしていると当時はCEOが発表していた。
日産自動車に在籍していた筆者の知人である電池開発技術者が、2017年7月にダイソンに移籍した。
電池開発に関わる技術者の争奪戦はこれからもあらゆるメーカーでみられるだろう。
全文
https://toyokeizai.net/articles/-/291511
引用元 http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1563846254/ 【従来よりも3倍以上の出力…トヨタが本気で取り組む「全固体電池」とは何か?】の続きを読む